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実習生たちが見た“日本” ― 異国からの視点で語る日常

こんにちは、東海人材支援事業協同組合の竜生です。

日本って、こんな国だったのか。。

技能実習生、そして将来は育成就労者となるかもしれない彼・彼女らの目線から見る
「日本のリアル」を少しだけ覗いてみましょう。

彼ら・彼女らの視点には、私たち日本人が見落としがちな小さな驚きや問いが詰まっています。

1. 綺麗!!

空港から出て、日本の街並みを見たとき、真っ先に発せられる言葉が「綺麗!」というケースは非常に多いです。
建物の外観から内装、道路の清潔さ、ゴミの少なさ、野良猫・野犬がほとんど見られないことなど、あらゆる面で「整理されている」「手入れされている」という印象を受けるようです。
(実習生の感想例:公共交通機関が清潔、道路にごみが落ちていないことに驚いたという声もあります。)

2. 静か

「静かだ」と言われることもよくあります。ただし、静かさが必ずしも居心地がいいとは限りません。
海外では外で会話や音楽、賑やかな雰囲気が普通だった人にとっては、「隣人とほとんど会話しない」「夜道が静まり返っている」といった環境に孤独を感じることもあるようです。

3. サービスが丁寧

日本のお店・行政機関・公共機関での対応の丁寧さも、実習生たちがしばしば語るポイントです。
銀行窓口や役所、スーパーなどで、優しい対応・笑顔・説明を丁寧にしてくれることに感動した、という声は珍しくありません。
空港に降り立った瞬間から、「案内」「対応」がきめ細かいと感じるケースもあるようです。

4. 厳しい!

「綺麗・静か・丁寧」なイメージの反面、「厳しさ」を感じるという声も決して少なくありません。

  • 規律・ルールの厳格さ
    時間の正確さ、交通ルール、公共マナー、ゴミ出しの分別、騒音禁止など、細かいルールが多いこと。
  • 作業・安全基準の厳しさ
    特に実習現場では、安全・品質・作業手順について非常に細かく指導されるという印象を持つ人が多い。実習生の声の一つに、「日本は安全に対してとても厳しい」 というものがあります。
  • 融通の効かなさ
    「こうしてはいけない」「この時間までにやらなくてはいけない」といった制限が多く、自由度が低いという戸惑いも。

5. 寂しさ・ホームシック

国を離れて暮らす中で、言葉の壁・文化の違い・人との距離感で孤独を感じることは避けがたいようです。
実習生本人から、「日本人の友達があまりおらず寂しい時期があった」「家族と電話することで励まされる」という声も報じられています。
特に、休日や終業後に交流できる相手が少ない、近所同士の付き合いが希薄、地域イベントへの参加が難しい、という点が重く感じられるようです。

6. 日本ならではの「暗黙のルール」

  • ゴミの持ち帰り
    ゴミ箱があまり目につかない、食べた後の包みごみをどう扱うか戸惑うことがあります。
  • 公共交通機関の静けさ
    電車やバス内で静かに過ごす習慣、アナウンスの丁寧さ、列の整備。これらが「当たり前」ではなかった方々もいるようです。
  • 礼儀・挨拶文化
    会釈・礼・あいさつ・順番を守る文化など、無意識に守られているマナーに驚く人もいます。

7. 将来への視点:育成就労制度を通して見えるかもしれないもの

「育成就労制度」がスタートしたなら、実習生・育成就労者からは次のような見え方が出てくるかもしれません。

  • 「育ててもらう」という意識
    ただ働くだけでなく、日本語や技能を段階的に育ててくれる制度になるなら、制度としての期待感が変わるかもしれません。
  • 将来選択肢が見える安心感
    「3年後、次のステップ(特定技能など)へ移れるかもしれない」という道筋が見えれば、心持ちも変わるかもしれません。
  • 責任とプレッシャーの増大
    育成制度ゆえに、きめ細かい評価・試験・基準が課される可能性が高く、期待と緊張が共存する環境になることも。

終わりに

彼ら・彼女らの目線から見た日本には、「私たち日本人ですら忘れている当たり前」がたくさんあります。
制度設計、受け入れ体制、指導や支援を考えるとき、こうした“驚き”を拾っていくことが、より人間らしい共生の第一歩になると思います。

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